Q8ダニに刺されたらどうなりますか?
ダニによる虫刺されの原因としては、ネズミに寄生するイエダニ(資料14)による被害が多いです。イエダニは体長 0.7mm前後ときわめて小さい上に、寝ている間に寝室内に侵入し、衣類の中に潜り込んで吸血するため、刺されている場面はほとんど見ることができません。古い一戸建てで、床下や天井裏などにネズミが生息するような家で被害がでやすいようです。
顔や手足はほとんど刺さず、わき腹や下腹部、ふとももの内側などを刺して、かゆみの強い赤いブツブツができます(資料15)。
なお、布団やカーペットなどに生息するヒョウヒダニ類(チリダニ類)は、皮膚から吸血することはありません。
イエダニとは別に、ハイキングやキャンプなどの野外レジャーの際にマダニ類(資料16,17)による吸血被害を受けることがあります。マダニ類は体長2~8mmの大型のダニで、本来は野生動物に寄生しています。マダニは山道沿いの草地やササ藪、河川敷などに生息し、人間が通るとその体に取りついて、皮膚から吸血します。そして数日~1週間後にはダニの腹部が数mm以上の大きさに膨らみ、飽血状態(資料18)となって脱落します。吸血中のマダニを無理に引き抜こうとすると、頭部が皮膚に残って炎症を起こすことがあります。また、ダニの種類によってはライム病や日本紅斑熱などの感染症を媒介することがあります(ダニ類による感染症の項を参照)。




