Q11ケムシに触れるとどうなりますか?
チョウやガの幼虫はケムシあるいはイモムシです。ケムシの毛には毒があってかぶれるもの、と思われがちですが、すべてのケムシが毒を持っているわけではありません。実際には有毒毛を持っている一部のケムシに触れた場合にだけ皮膚炎を生じます。
有毒毛には主に毒針毛(どくしんもう)と毒棘(どくきょく)があり、前者はドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)やカレハガ類(マツカレハ、タケカレハなど)、後者はイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガなど)の幼虫に備わっています。
ドクガ類の毒針毛は長さ0.1~0.2mmの微細なもの(資料23)で、幼虫1匹に数十万本以上が密生しているため、これに触れると激しいかゆみを伴うジンマシンのような症状、あるいは赤いブツブツが多発します(資料24)。これは首やうでに集中して生じるのが特徴で、掻くことで次第に増数します。
都市部や市街地ではツバキやサザンカにつくチャドクガの幼虫(資料25)による被害が多く、問題になっています。庭木の手入れをした後に発症することが多いですが、ケムシに触れた覚えがなくても皮膚炎を生じる例が意外に多いようです。
イラガ類の毒棘に触れると、その瞬間にピリピリした激しい痛みと発赤が出現し、1~2時間で一旦治まります。しかし、その翌日に同部が赤く腫れてかゆみを生じることがあります。
主に西日本の人家周辺ではサクラやカエデ、バラ、クスノキなどにつくヒロヘリアオイラガの幼虫(資料26)による被害が多発しています。



