Q2「スチーブンス・ジョンソン症候群」とはどんな病気ですか?
Q1で述べたTENと並び、最も重症の薬疹の一つですが、TENと比べ皮膚の剥離する範囲が少し狭く(10%>)生命の予後も多少良いと言えます。本症ではしばしば口唇に厚い血液の混じったカサブタがつくような潰瘍を認めます(資料2、3)。本症で問題なのは、眼や口唇などの粘膜症状が強く、とくに眼の粘膜の症状が強い場合には、しばしば後遺症を残すことがある点です。これを防ぐためには、早期からステロイド剤の投与を十分に行うとともに、眼科医のもとでの定期的な診療が必要です。本症の発症には薬剤だけでなく細菌・ウイルス感染が関与している場合が少なくありません。とくに呼吸器に感染するマイコプラズマという細菌感染が基盤にあることが少なくありません。口のまわりに小さな水疱が出来る病気に単純ヘルペスというウイルス性の病気がありますが、本症の発症には薬剤だけでなく、この単純ヘルペスウイルスが関係している場合もあります。