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イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─

Q1そもそも、「イボ」って、いったい何ですか?

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 「イボ」は、皮膚から盛り上がっている小さなできもの一般を指す俗語です。ですから、患者さんが「イボができた」と言って受診されるものの中には、私達皮膚科医から見ると、実に様々の異なる皮膚病(多くは皮膚の腫瘍です)が含まれています。
 最も普通の「イボ」は「ウイルスが感染してできるイボ」で、専門用語でウイルス性疣贅と呼ばれるものです(資料1)。その他にも、このQ&Aのテーマの一つでもあるミズイボ(専門用語では伝染性軟属腫)や中年イボ(専門用語ではスキンタッグ)(資料2)や年寄りイボ(専門用語では老人性疣贅あるいは脂漏性角化症)(資料3)を初めとする多くの皮膚病があります。中には悪性腫瘍のこともありますので、診断には慎重を要します。もちろん、安易な自己診断は禁物です。
 もっとも、皮膚科医が狭い意味で「イボ」と言う場合、通常はウイルス性疣贅を指します。このQ&Aの中でも基本的には「イボ」=ウイルス性疣贅として説明したいと思います。ところが、話がだんだんややこしくなるのですが、ウイルス性疣贅にもまた見た目の違う多くの種類があって、原因になるイボのウイルスに少しずつ違いがあることが分かって来ています。資料1には、その中でも最も見る機会の多い子供の手足などにできるイボを示しました。尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とよばれるものです。その他の種類については、後でご紹介することにします。

資料1

子供の指に多発したイボ(ウイルス性疣贅)。尋常性疣贅と呼ばれるタイプ。

資料2

首にできたいわゆる“中年イボ”。専門用語ではスキンタッグ。

資料3

頭にできたいわゆる“年寄りイボ”。専門用語では老人性疣贅。

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