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イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─

Q11ウオノメと思って皮膚科を受診したら、イボと言われました。ウオノメとイボはどう違うのですか?また、ウオノメはどうしてできるのですか?

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 ウオノメは、通常大人の足の裏や趾(ゆび)などにできる、直径5~7mm程の硬い皮膚病変で、歩行や圧迫により激しい痛みを伴うのが特徴です。中心に魚の眼のような芯が見えるので俗にウオノメと呼ばれますが、面白いことに専門用語では“鶏眼(けいがん)”と言います(資料27)。
 Q2に書きましたように、皮膚の一番外側には角質層と呼ばれる硬い層があり圧迫などの外界刺激から身体を保護しています(資料4)。足底の皮膚が厚く硬いのは、歩いたり体重を支えたりと、機械的刺激の多いことに対して、皮膚が角質層を厚くして対応しているからです。踵の皮膚を見ると、このことがよく分かりますね。さて、何らかの理由で、一定部位に繰り返し異常な圧迫刺激が加わると、角質が厚く芯のようになり、真皮に向かって楔状に食い込んで行く場合があります。こうしてできたのが魚や鶏の眼のように見えるウオノメです。圧迫や歩行などに伴って、楔状に食い込んだ角質の芯が神経を圧迫して痛みを生じます(資料28)。
 足の裏にできるイボは特に足底疣贅と呼ばれますが(資料8のモザイク疣贅は足底疣贅の一種です)、皮膚の中にめり込んでいることが多いので、小さいものでは(資料29)ウオノメと区別がつきにくい時があります。特に子供の足の裏にはミルメシアと呼ばれる、ウオノメそっくりの“痛い”イボができることがあります(資料30)。間違えないようにしたいですね。

資料27

足の裏にできたウオノメ(鶏眼)。中心部の固い芯が特徴。

資料28

ウオノメとタコとのできかたの違い(模式図)。

資料29

ウオノメと間違え易い足底疣贅。

資料30

ミルメシア。子供の足の裏にでき易いウオノメそっくりのイボ。
子供の足の裏にウオノメみたいなものを見つけたら、ミルメシアと考えてまず間違いない。

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