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イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─

Q10イボやミズイボにかからないようにするには、どうすればいいですか?

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 イボやミズイボがウイルス感染症であることを書いて来ました。他のウイルス感染症と同じようにワクチンで予防できれば理想的ですが、残念ながら現在のところ、子宮頸癌や性感染症予防の観点からHPV16と18型(子宮頸癌の主な原因)、HPV6と11型(尖圭コンジローマの主な原因)の4つの型に対する予防ワクチンがあるのみで、イボ全般やミズイボに対する予防ワクチンはありません。その4つのHPV型に対するワクチンも、まだ我が国では実施されていません。
 イボやミズイボに全く罹らないようにするのは不可能ですが、先にも何度か書きましたように、イボのウイルスは正常の健康な皮膚には感染できず、髭剃りあとや(資料24)、指の“さかむけ”や手足の荒れや(資料25)、水虫や靴擦れなどでおこる皮むけのあと(資料26)など障害のある皮膚にでき易いことが分かっています。また、アトピー性皮膚炎があると、ミズイボにかかり易いだけでなくひどくなり易いことなども分かっており(資料22資料23)、乾燥肌や痒みに対する引っ掻き行為などが関係していると思われます。
 したがって、イボやミズイボにかかりにくくするためには、外傷を受けることの多い手足や肘膝、手あれや髭剃りあとなどの肌荒れに対するスキンケア、アトピー性皮膚炎など基礎疾患の治療を通して「イボ」のできにくい皮膚の環境作りをすることが大切と言えます。また、免疫の低下するご病気の方、免疫抑制剤を使用中の方は、特にこのような点に注意して下さい。尖圭コンジローマやボーエン様丘疹症が性感染症であり、性パートナーを含めた感染予防が大切なことは先に書いた通りです。

資料24

ひげ剃りあとにできた多数のイボ。

ひげ剃りあとにできた多数のイボ。
資料25

多汗症で荒れた踵部にできたイボ。

多汗症で荒れた踵部にできたイボ。
資料26

靴擦れと皮むけをくり返しているうちに、その部分にだけできて来た小さなイボ。

靴擦れと皮剥けをくり返しているうちに、その部分にだけできて来た小さなイボ。
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