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イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─

Q5子宮癌がイボのウイルスが原因と聞いたことがあります。イボは癌になるのですか?

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 子宮癌のうち子宮頸癌の原因の一つとして、ある種のイボのウイルス(HPV16型の感染のことが最も多い)が感染して起こる可能性がクローズアップされています。皮膚癌の中では、昔から疣贅状表皮発育異常症(ゆうぜいじょうひょうひはついくいじょうしょう)と言う稀な皮膚病の患者さんにできるものがウイルス感染で起こるらしいと考えられていましたが(今ではHPV5型を初めとする特定のHPV型が原因であることが分かっています)、これとは別に外陰部や指にできる皮膚癌から子宮頸癌と同じ種類のHPVが見つかることが最近になってわかり、子宮頸癌を起すHPV16型などが外陰部や指にも感染して癌の原因になっているのではないかと考えられています(資料13)。
 このように、子宮頸癌やある種の皮膚癌がHPVで起こる可能性が分かって来ましたが、前(Q3を見て下さい)にも述べた通りHPVには多くの型があり、子宮頸癌がHPV16型(資料14)、疣贅状表皮発育異常症に生じる皮膚癌がHPV5型など、癌を起しやすいHPVの型が決まっているらしいことも分かっています。普通のイボは全く違う型のHPVが原因ですので(Q3を見て下さい)、普通のイボが癌になるとは、基本的には(もちろん、免疫が低下している時など、いつも例外はありますが)考えなくて良いでしょう。
 ただしQ1で書いたように、一般の方が「イボ」と呼ばれる皮膚病には色々な種類の皮膚腫瘍が含まれています。時には悪性腫瘍のことがないとは言えません。自己診断せずに、必ず皮膚科専門医の診断を受けることが大切です。

資料13 指にできた皮膚癌
資料14 皮膚癌に見つかったHPV16型

子宮癌の原因として有名なウイルス

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