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脱毛症

Q1毛が伸びる、または生えかわる仕組みはどのようになっているのでしょうか?

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 日常生活では特に意識することは少ないと思いますが、私たちの髪の毛は日々伸び、そして生えかわります。これはどのような仕組みによるのでしょうか。
 毛は「毛包」(または「毛嚢」)と呼ばれる毛穴を中心に皮膚に「埋め込まれた」ような小さな円筒形の構造によって作られます。毛包の下端(身体のより深い部分)は少し膨らんでおり「毛球部」と呼ばれます。毛球部には「毛乳頭」と呼ばれる細胞の塊があります。また、この塊を囲むように「毛母細胞」という毛のもとになる細胞があります。毛母細胞が毛乳頭からの働きかけによって増える(細胞分裂)することで毛が伸びていきます。ただ、細胞にも寿命があり、永久に毛を作り続けることはできません。そこで、生えかわる必要があるのです。
 定期的に理容室やヘアサロンにいくことからもわかるように、私たちの頭髪は約10万本あるとされていますが、そのほとんど(約85−90%)が「伸びる毛」です。この毛をつくり出す力のある毛包は「成長期」にあると言われます。成長期は毛包ごとに異なりますが、大体2−6年続くと考えられています。毛は一日約0.4mm伸びます。毛包は次第に毛をつくる力を失うため、毛をつくり出す仕組みを新しく作り替えます。そのため一度、毛球部を含む下の部分をなくし、新しいものにするのです。毛包の下部の構造が次第に縮んでいく時期を「退行期」、次の成長期に備えて毛をつくることを休む時期を「休止期」と言います。休止期は2−3ヶ月あり、通常、次の成長期に入る準備ができると毛が抜けます。この毛の抜け替わりのサイクルを「毛周期」と呼びます。
 一日に抜ける毛の量は、個人差、季節差、ヘアケアの仕方などもよりますがおおよそ一日100本程度までといわれています。

図1:頭髪の成長期毛包

図1:頭髪の成長期毛包

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