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脱毛症

Q2年齢・人種などによる毛の質や濃さの違いはどうしてみられるのでしょうか?

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 髪の毛はいくつかの種類のたんぱく質からできています。また髪の毛が作られ成長する過程では、何種類もの酵素が働いたり、細胞がホルモンなどの刺激を受け取ったり、細胞同士が接着しあったりといった複雑な仕組みが働きあいますが、ここでもたんぱく質が重要な働きを担っています。これらのたんぱく質は遺伝子の情報を元に作られます。 
 人類はその土地の気候や環境に適応するなかで、異なる遺伝子の特徴をもつ集団、すなわち人種に分かれて進化しました。異なる人種では髪の毛が作られ成長するのに関係する遺伝子が少しずつ異なっているため、髪の毛の太さや構造、形に違いがあり、結果として毛の質(直毛、巻き毛など)や濃さといった外見的な違いが生じます(図X)。同じ人種でも個人によって遺伝子の情報は全く同じではないため、毛の質や濃さは異なります。
 毛の質や濃さの変化は成長や老化の過程でもみられます。毛は生まれてから成長が進むにつれて太くなり小学生頃には大人とほぼ同じくらいの太さになります。太さが変化することで毛の質も変化します。中年期になると特に男性では髪の毛が細く短く変化することがあります。さらに高齢者では髪の毛が一様に細くなり、色も失われていきます(白髪化)。このような変化は成長や老化に伴うホルモンや代謝の変化で起こると考えられていますが、その程度には個人差があり、ここでも遺伝子の情報をはじめとする様々な要因の関わりがあると考えられています。

図X:人種による頭髪の違い
黄色人種
図X:人種による頭髪の違い
黒色人種
図X:人種による頭髪の違い
白色人種
図X:人種による頭髪の違い
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