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脱毛症

Q7男性型脱毛症の治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

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 男性型脱毛症を生じる仕組みがかなり明らかになったことで、治療法が著しく進歩しています。ただし、残念ながら「病気」ではなく、どちらかと言えば「加齢変化の一種」と解釈されているために、有効な治療法の多くは保険診療で受けることができません。男性型脱毛症の主な治療法として、外用療法、内服療法および自家植毛術の3つが挙げられます。
 まず外用療法ですが、毛の工場にある毛乳頭細胞または毛母細胞を刺激することによって発毛を促す外用剤が使用されています。最も薦められる薬剤はミノキシジルで、次に推奨度が高いのはアデノシンです。
 内服療法は、男性型脱毛症では活性型(強い作用をもつよう変化した)男性ホルモンが毛の工場に悪影響を及ぼしているということがわかったため、活性型男性ホルモンが作られる仕組みを妨げる薬剤が使用されています。具体的には、5α-還元酵素阻害剤であるフィナステリドとデュタステリドという薬剤が使われています。これらの薬剤を内服すると、前立腺癌の際に血中で高くなるPSAの値が約半分に低下するので、健康診断の際などには見逃されないように注意が必要です。
 自家植毛術は、男性型脱毛症になりにくい後頭部の毛を薄毛になりやすい頭頂部や前頭部に移植する治療法で、治療効果は高いのですが、一種の手術であり、内服療法、外用療法と比較して費用がかかります。
 現実的には、症状、希望にあわせて、これまで説明した治療法を組み合わせて治療を受けていただくことをお勧めいたします。

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