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脱毛症

Q13円形脱毛症の治療はどのようにするのでしょうか?

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 日本皮膚科学会では医師向けに診療ガイドライン(治療の参考になる手引き)を発表しています。そこで薦められている治療の代表例として、ステロイド局所注射、局所免疫療法、ステロイド外用療法があります。
 ステロイド局所注射は脱毛部位に副腎皮質ステロイドを直接皮内に注射していく方法です。脱毛部位が広いとそれだけ注射回数が多くなります。痛みを抑えるため事前にリドカイン・プロピトカイン配合クリームなど局所麻酔薬を外用してから行うこともあります。脱毛の範囲が広くない場合には有効な治療ですが、小児には行いにくいとった面もあります。
 局所免疫療法は、SADBE、DPCPといった化学物質を脱毛部位に外用しアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)を繰り返し起こすことで免疫バランスを変化させ円形脱毛症が改善することをねらったものです。広い範囲に脱毛がみられる患者さんでも思いがけないほど有効である場合もあります。しかしアトピー性皮膚炎を合併している方は皮膚炎が悪化してしまうこともあり注意が必要です。 ステロイド外用薬は実施しやすく世界で広く行われている治療です。
 また、急速に広範囲に脱毛が進むような場合には入院しステロイドを短期間大量に投与する点滴静注ステロイドパルス療法が行われる場合もあります。
 その他、紫外線療法、グリチルリチン・グリシン・DL−メチオニン配合剤錠の内服など炎症を抑える治療や、カルプロニウム塩化物外用液、セファランチンの内服、液体窒素療法などが一般的に行われます。

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