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脱毛症

Q9円形脱毛症の治療法はどうしますか?

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 日本皮膚科学会では円形脱毛症診療ガイドラインを作成しています。病気が始まってからの期間と脱毛面積に応じて治療法を決めていきます。始まったばかりで小範囲しか脱毛していない場合は、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用療法やグリチルリチン、セファランチンの内服療法で様子をみます。狭い範囲ですが経過が長引くようなら脱毛部にステロイドを局所注射する治療法や雪状炭酸圧抵療法もあります。ステロイドの局所注射は痛みを伴うことと、副作用として注射したところがへこんでしまうことがあり得ること、注射部分にだけ毛が再生することが難点で、広範囲な場合は不適当な治療です。雪状炭酸圧抵療法はドライアイスで脱毛部を軽く冷却する方法です。急速に拡大する場合はステロイドを内服すると難治の場合もかなり効くことがありますが、数ヶ月以上も続けると糖尿病などいろいろな副作用が起きますので、2~3ヶ月で内服を中止して、抜けてしまう場合は再び内服することはできません。また子供さんには成長障害を引き起こすことがあるので、使用できません。
 広く脱毛して6ヶ月以上も続いている場合は、局所免疫療法が適応となります。局所免疫療法は、かぶれを起こす特殊な薬品(SADBE、DPCPなど)を脱毛部に塗って、弱いかぶれの皮膚炎を繰り返し起こさせる治療法です。1~2週に1回行います。有効率は60%以上で、現在最も有効な円形脱毛症の治療法です(図10)。難治な場合でもかなり有効で小児でも治療可能です。ただし中止すると再び脱毛し、治療を繰り返し何年も行うこともあります。使う薬品は健康保険で認められてはおらず研究試薬ですので、使用に当たっては患者さんの同意が必要です。副作用として、人によってはひどいかぶれが起きることがあるので注意を要します。薬品の濃度や塗り方が大切ですので、専門医にしてもらうべき治療です。

図10:全頭型円形脱毛症のDPCP療法の経過
治療開始時
図10:全頭型円形脱毛症のDPCP療法の経過:治療開始時
2カ月後(DPCP 0.01%)
図10:全頭型円形脱毛症のDPCP療法の経過:2カ月後(DPCP 0.01%)
6カ月後(DPCP 0.025%)
図10:全頭型円形脱毛症のDPCP療法の経過:6カ月後(DPCP 0.025%)
1年後(DPCP 0.05%)
図10:全頭型円形脱毛症のDPCP療法の経過:1年後(DPCP 0.05%)
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