Q2どんな病型がありますか?
リンパ球はT細胞、B細胞、NK細胞などに分けられますので、リンパ腫は腫瘍細胞が由来するリンパ球の名前をとって、T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫などに大別されます。皮膚リンパ腫の約85%はT細胞リンパ腫です。皮膚リンパ腫には皮膚症状や病理組織所見、臨床経過が異なるさまざまなタイプ(病型)があります。腫瘍細胞の由来と皮膚症状・組織所見をもとに多くの病型に分けられ、それらの所見を診断に組み入れた独特の病名が使われます。研究の進歩により、新たな病型が加わったり、これまで認められていた病型がリンパ腫の範疇から外れたりすることもあります。
皮膚リンパ腫で最も多いのは「菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)」という病型であり、皮膚T細胞リンパ腫の約半数を占めます。「セザリー症候群」は、リンパ腫細胞の特徴は菌状息肉症と似ていますが、紅皮症(全身皮膚に病変が生じる)、リンパ節腫大と末梢血にリンパ腫細胞が多く流れているのが特徴です。そのほかに、皮膚T細胞リンパ腫には原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、成人T細胞白血病・リンパ腫など多数の病型があります。
皮膚B細胞リンパ腫もいくつかの病型があります。多くは悪性度が低いのですが、中には中等度悪性の病型もあります。免疫に異常が生じる病気やメトトレキサートなどの薬剤による免疫抑制で誘発される皮膚B細胞リンパ腫もあります。