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皮膚リンパ腫:菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)

Q5どんな症状ですか?

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 皮膚T細胞リンパ腫の代表格である「菌状息肉症」と「セザリー症候群」の皮膚症状はQ2を参照してください。その斑状の病変は、皮膚科医がみても、湿疹や皮膚炎と鑑別することが難しいことがあります。進行するに伴い、皮膚病変の範囲が広がったり、盛り上がったりしてきます(局面)。また、痒みを強く感じることもあります。さらに進行すると腫瘤が多発し、リンパ節が腫れたり、血液の中のリンパ腫細胞が増加したりします。
 菌状息肉症のなかにもいくつかのタイプがあり、魚鱗癬様の乾燥や多形皮膚萎縮(色素沈着、色素脱失や毛細血管拡張などを伴う)をおもな症状とするタイプは菌状息肉症のなかでも経過がゆっくりであることが知られています。毛孔に一致してプツプツした丘疹などの皮膚症状を主とするタイプは他のタイプよりも進行が速いことがあります。また、極めてまれですが、難治性アトピー性皮膚炎として長い間治療を受けており、その後に菌状息肉症と診断された例も報告されています。アトピー性皮膚炎として典型的な症状でない場合には、菌状息肉症も一応念頭に置いておく必要があります。
 菌状息肉症以外の皮膚リンパ腫では、大小さまざまな大きさの腫瘤が単発または多発したり、皮膚潰瘍を伴う皮膚硬結などさまざまな皮膚病変を生じます。低悪性度の皮膚リンパ腫は自然消退することもあります。

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