Q3菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)はどんな病気ですか?
皮膚リンパ腫のなかで、最も頻度が高いT細胞リンパ腫(Q2参照)です。ほとんどの患者さんはゆっくり進行するため、低悪性度のリンパ腫と考えられています。 始めのうちは湿疹や乾燥肌のような、かさかさした赤み(斑または紅斑:図1)が体幹や四肢に出現します。湿疹と異なり痒みは強くありません。この時点での診断は経験を積んだ皮膚科医でも難しく、何年か経過をみて、皮膚症状の変化を確認したり、病理組織検査を繰り返し行わないと診断確定に至らないことが多いです。少し進行してやや盛り上がるようになると(局面:図2)、診断は比較的容易になります。
皮膚病変の面積が少ない、盛り上がりのない病変(斑)のみの場合には、10年間の経過で病気が進行する割合は約10%です。残りの90%の患者さんは安定した状態か、病変が消えることもあります。進行する場合でも数年から10数年かけてゆっくりと進みます。
一部の患者さんでは、はっきりと盛り上がる病変(腫瘤:図3)を形成したり、紅皮症になり、リンパ節が腫れてくることがあります。まれに、紅皮症とともに末梢血にもリンパ腫細胞が増えてセザリー症候群(Q2参照)になることがあります。


