Q6原因は何ですか?
菌状息肉症とセザリー症候群の原因はいまだに不明です。皮膚、特に表皮において、Tリンパ球が活性化して、細胞が長生きしている間に、腫瘍化するためのいろいろな遺伝子異常が加わっていくと考えられています。
成人T細胞白血病・リンパ腫の原因は、HTLV-1と呼ばれるレトロウイルスです。稀な病型の節外性NK/T細胞リンパ腫(鼻型)ではほぼ全例にEBウイルスが感染しています。EBウイルスは、日本人では青年期までにほとんどの方が感染し、ウイルスは一生体の中に潜んでますが(潜伏感染)、EBウイルスに対する免疫が働きにくい方がいるのが知られており、それがEBウイルスによるリンパ腫発症の原因になっている可能性があります。関節リウマチの治療薬であるメトトレキサートで誘発されたB細胞リンパ腫では半数程度にEBウイルスが感染しています。EBウイルスが感染したB細胞リンパ腫であった場合、メトトレキサートの中止で自然消退することが多いため、メトトレキサートによる免疫抑制がEBウイルス感染細胞の増殖に関係していると考えられます。その他のリンパ腫については原因不明です。