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皮膚リンパ腫:菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)

Q7どんな検査をするのですか?

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 皮膚科エキスパートの視診と問診が初期診断に最も重要です。皮膚リンパ腫、特に菌状息肉症の疑いがあれば皮膚生検を実施します。特徴的な病理組織所見を確認し、浸潤しているリンパ球の種類を同定することで診断の一助にします。一度の検査で診断がつかない場合も多いため、菌状息肉症の疑いがあれば、時期を置いて繰り返し生検する必要があります(Q3参照)。
 成人T細胞白血病・リンパ腫の疑いがある場合には、HTLV-1感染の有無を血清抗体価あるいはウイルス学的に検査します。菌状息肉症と診断した場合でもHTLV-1抗体陽性の場合もありますので、成人T細胞白血病・リンパ腫を発症しないか、注意深く診察していく必要があります。EBウイルスが関連している場合には、リンパ腫細胞中のEBウイルス関連遺伝子の存在を検査します。
 臨床症状と病理所見およびウイルス学的検査と同時に、血液検査(白血球数、乳酸脱水素酵素:LD、血清可溶性IL-2受容体(sIL-2R)、末梢血リンパ球の種類やバランスなど)によってリンパ腫の進行の程度を調べます。
 病気の広がりを確認するために、超音波検査、CT、FDG-PETなどの画像検査を実施します。早期の菌状息肉症では必ずしもCTやPET-CT検査は必要ではなく、皮膚症状の観察やリンパ節触診、血液検査、超音波検査等の結果に応じ画像検査の必要性を判断します。ほかの病型では、皮膚以外の病変がないことを確認するため、多くの場合に画像検査が必要になります。リンパ節が腫れている場合にはリンパ節生検を行い、リンパ腫細胞の有無やリンパ節構造破壊の有無を確認します。

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