Q16帯状疱疹の合併症には何がありますか?
頬部、下顎から肩に掛けて(三叉神経第3枝から第3頚髄神経領域)の帯状疱疹の場合、同側の顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害を伴います(ラムゼイ-ハント症候群)。早期に入院し、副腎皮質ステロイドの全身投与が必要です。また、本症は主として知覚神経が侵されますが、まれに炎症が高度で、脊髄の前角にまで及ぶと運動麻痺が起こります。上肢に多く、挙上が出来なくなり、筋の萎縮を伴うこともあります。腹部の帯状疱疹では腹筋の麻痺により同側の腹部が膨隆することがあり、また、腹部の帯状疱疹では、便秘を伴うことがあります。
仙骨部の帯状疱疹すなわち、外陰部領域の帯状疱疹では膀胱直腸障害がみられ、尿閉が起こることがあります。この場合も、入院してもらい、充分な抗ウイルス薬の投与と留置用バルーンカテーテルを使用します。