Q11爪の切り方
爪を短く切るのは良くないと言われましたが、本当ですか。
爪の切り方
爪を切る時に、爪先にある白い部分を全て切り除いている人をよくみます。昔から、爪は短く切るように指導されているためと思われます。爪先の白い部分は短く切った爪でも先端に現れてきます。爪甲には指先や趾先の皮膚を保護する役割があります。爪を短く切っていると指先や趾先の皮膚ががさがさになったり、指先に亀裂(ひびわれ)を生じたりします。爪が短いために起きる皮膚の荒れや亀裂は塗り薬を塗っても治りませんが、爪を長く伸ばしてやると治癒します(図1、2)。
73歳、男性。指先の皮膚が荒れている。爪が短い。爪を伸ばすように指導。

2週間後には指先の荒れは消失しています。

42歳、女性。深爪のために指先に亀裂を生じている。爪甲側縁を長く伸ばすと亀裂は治癒する。

足の第1趾の場合には、爪甲を短くきるために陥入爪(Q7)になったりもします。第1趾の爪甲では趾先端に合わせて真っすぐ横に切り、爪甲の両端を少しカットして丸みを付けるスクエアカットオフという形(図3)がよいと思います。注意して切らないと爪甲は前方に凸の丸い形に切れやすいので、入浴後などの爪甲が柔らかい状態のときに切るのが良いでしょう。指の爪甲では指先より短くならないように。指先の形に合わせて丸く切り、爪先の白い部分はすこし残すようにします(Q1参照)。爪甲が長いとその下に汚れや細菌が多く付くので良くないと考えられますが、丁寧に洗えば汚れも細菌も除かれます。指先ががさがさになっていると、その部分の細菌は洗ってもなかなか除去されないのです。
第1趾爪の切り方。爪甲の両側縁が趾先端より短くならないように切る。
