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子供のウィルス感染症

Q16Gianotti病、Gianotti-Crosti症候群はどのような症状ですか?

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 B型肝炎ウイルス(HBV)の初感染で生じる疾患をGianotti病と言いますが、近年、このHBVウイルスによる例も含め、同様の症状を示す場合をGianotti-Crosti症候群と言います。原因ウイルスについては、Epstein-Barr(エプスタイン・バール)ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)など多彩です。
 本邦では0~3歳と、やや低年齢層に多いようです。四肢末端から始まり、大腿、上腕、顔面へと上行性に拡大する発疹は、おおむね米粒大の丘疹や紅斑ですが、紫斑や膨疹などの報告もあります。約3週間で、時に色素沈着や落屑を伴う場合もありますが、自然消退します。Gianotti病は、HBVによるので、肝臓は腫大して、右上腹部に触知します。肝機能は悪化し、正常に復するまでに3~6か月も要する例があります。HBVワクチン接種の普及、献血の問題などの改善で、HBVによる例はまれになりました。一方、Gianotti-Crosti症候群は、EBVやCMVによる例、原因不明の例など前述の症状を示す例はよく見られます。臨床症状は、多くの例では軽微で、対症療法で、数週間で経過しますが、EBVやCMVによる例では、重症例もありますので発熱など全身症状があれば、小児科受診を勧めます。

肝臓の腫大、四肢に丘疹・紅斑が出現します
現在ではまれになりました
肝臓の腫大、四肢に丘疹・紅斑が出現します 現在ではまれになりました

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