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子供のウィルス感染症

Q18猩紅熱(しょうこうねつ)はどのような症状ですか?

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 これは細菌感染症ですが、鑑別すべき疾患ですので説明しておきます。A群β溶血性連鎖球菌の全身性感染症で、かつて猩紅熱と言われました。咽頭に感染した溶連菌(Streptococcus pyogenes)の菌体外酵素のうち、発赤毒(erythrogenic toxin)によって生じます。
 数日の潜伏期の後、急に咽頭痛と発熱で発症し、殆ど同時期に皮疹が出現し始めます。扁桃に白色膜様物の付着があります。皮疹は紅色の点状ないし粟粒大の小丘疹で、頸部、腋窩、鼠径部などから始まり、体幹へと拡大します。顔面では、両頬部に紅斑が見られ、口周囲は白く抜け、口角炎を伴います。皮疹は全身に広がった後、5~6日で消退し始め、1週間目ごろから体幹・四肢は色素沈着、粃糠様落屑を伴い、掌蹠は膜様鱗屑を伴います。舌は、初めは先端が発赤、舌背は白苔を伴うが、経過と共に苺状舌を呈します。診断には咽頭培養で、A群β溶血性連鎖球菌を証明します。感染力は比較的強く、治療にはペニシリン系の抗菌薬を少なくとも10日以上きちんと使用します。まれに腎機能障害を併発する例があり、長期間の経過観察が必要です。

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