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膠原病と類縁疾患

Q7限局性強皮症と診断されましたが、血液検査で抗核抗体が陽性でした。将来、膠原病を発症する可能性があるのでしょうか。

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 抗核抗体検査は膠原病のスクリーニング検査として用いられていますが、その目的は自己に反応する免疫応答の有無を調べることです。前項「限局性強皮症は自己免疫疾患ですか?」で説明しましたが、限局性強皮症は自己免疫疾患の一つです。ですので、限局性強皮症の患者さんが抗核抗体検査で陽性を示すことはよくあることで、抗核抗体検査が陽性であるからと言って膠原病の合併を心配することはありません(膠原病については「限局性強皮症は全身性強皮症の軽症型ですか?」を参照)。一方で、限局性強皮症の患者さんは健常人に比較すると他の自己免疫疾患を合併する頻度が高いことが知られています。最も多いのは慢性甲状腺炎(橋本病)の合併ですが、それに比べると頻度ははるかに低いですが関節リウマチをはじめとした膠原病を合併することがあります。限局性強皮症と診断されたからと言って、将来的に膠原病を発症する可能性について過剰に心配する必要はありませんが、気になる症状(レイノー現象*、関節痛、原因がはっきりしない持続する発熱など)がある場合は主治医の先生に伝えるようにしましょう。

*レイノー現象:手指の血管の攣縮により一過性に血流障害が生じる現象。典型例では、寒冷暴露や精神的な緊張などにより手指がサッと白くなり、その後に紫色となり、最後に赤くなってから常色に戻ります。一般に全経過は数分から数十分です。

限局性強皮症


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