Q15限局性強皮症にはどのような治療がありますか?
限局性強皮症の治療について検討する際に重要な点は、病気の活動性の有無を正確に判断することです。病気の活動性の有無の評価については、前項「限局性強皮症の病変の広がりや活動性を調べるにはどのような検査が必要でしょうか?」に詳しく記載してあります。病気の活動性がある場合の治療方針は病型により異なります。斑状強皮症の場合は、一般に局所療法で治療します。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬、光線療法などが選択肢となります。難治性の斑状強皮症、線状強皮症、汎発型限局性強皮症の場合は、全身療法を選択します。具体的には、ステロイドの内服や静注(ステロイドパルス療法といって、入院して点滴で行います)、免疫抑制薬の内服などが用いられます。一方、病気の活動性がない場合は、病型に関わらず残存する機能障害や整容的問題に対して、理学療法(運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気などの物理的手段を用いて行われる治療)や美容外科的手術が選択肢となります。なお、手術後に病気の活動性が再び出て来てしまう場合もあるので、病気の活動性が十分落ち着いてから手術に踏み切るのが適切と考えられています。