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膠原病

Q6強皮症とはどういう病気ですか?

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病気について

 全身性強皮症と限局性強皮症があります。全身性強皮症では皮膚や内臓に症状が出現しますが、限局性強皮症では皮膚だけに症状が出ます。全身性強皮症は、皮膚の広い範囲に硬くなる「びまん皮膚硬化型全身性強皮症」と肘や膝から先だけが硬くなる「限局皮膚硬化型全身性強皮症」に分けられます。前者は発症後5~6年は症状が速く進行しますが、後者では進行はゆっくりです。本邦の全身性強皮症の患者さんは2万人以上が確認されていますが、軽症の方を含めると患者数は数倍になると推定されています。男女比は1:12であり、30~50歳代の女性に多く見られます。稀に小児や高齢者に発症することもあります。原因は不明ですが、免疫異常が関係して皮膚や内臓の線維成分が増えて変性します。遺伝病ではありませんが、この病気になりやすい体質は受け継がれると考えられています。

症状について

 全身性強皮症の方の90%は、寒冷刺激で手指が真っ白になるレイノー症状で発症します(図6)。その後数年たってから手指が腫脹したり、こわばったりしてきます(図7)。指輪がきつくなったことで気づかれることもあります。びまん皮膚硬化型では、その後短期間で、手背、前腕、上腕、体幹と体の中心部分に皮膚硬化が進み、手指では指が曲がって伸びなくなる屈曲拘縮が起きます。限局皮膚硬化型では肘と膝よりも先に皮膚硬化がとどまります。爪上皮(爪のあま皮)の延長とその部分の点状出血、指先の小さな瘢痕、指先や関節背面の潰瘍(図8)、毛細血管拡張、皮膚の石灰沈着、広い範囲の皮膚の色素沈着色などがみられます。冬になると手足の血行障害で指先や関節背面に潰瘍ができます。肺が硬くなる肺線維症が起きると、空咳や呼吸困難が生じ、風邪をこじらせると肺炎を起こしやすいので注意が必要です。腎臓では内部の血管病変が原因で急激に高血圧が起きる強皮症腎クライシスという現象がまれに起きます。食道では食道下部が硬く拡張して胃酸が食道に逆流して、胸焼け、胸のつかえ、逆流感が生じる逆流性食道炎が起きることがあります。腸が硬くなると便秘や下痢を繰り返すことがあります。

治療について

 びまん皮膚硬化型では早期の進行を抑えるため、患者さんの症状に応じて、ステロイド薬、免疫抑制薬、血管拡張薬、降圧薬などの薬が使用されます。限局皮膚硬化型では症状に応じて穏やかな治療法が主体となります。びまん皮膚硬化型では発症5~6年以内に皮膚硬化が進行して内臓病変が出現し、その後皮膚は徐々に柔らかくなってきます。しかし内臓病変は元にはもどりませんので、できるだけ早期に治療を開始して、内臓病変の合併や進行を抑えることが重要です。限局皮膚硬化型では皮膚硬化の進行はごくゆっくりで強い治療は必要ありませんが、肺線維症の進行や肺高血圧症に注意する必要があります。詳しくは強皮症研究会議のホームページで見ることができます(厚生労働科学研究費・難治性疾患克服研究事業「強皮症における病因解明と根治的治療法の開発」との共同ホームページhttp://derma.w3.kanazawa-u.ac.jp/SSc/about/purpose.html)。

図6 寒冷刺激によるレイノー現象
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図7 全身性強皮症の手指の皮膚硬化
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図8 全身性強皮症の指尖の潰瘍
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