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膠原病

Q18側頭動脈炎(Temporal Arteritis)(巨細胞性動脈炎(Giant Cell Arteritis))

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病気について

 頸動脈とその分枝の動脈、特に側頭動脈に炎症がおきる血管炎です。組織学的に巨細胞を含む肉芽腫が認められるため、巨細胞性動脈炎(Giant cell arteritis)とも呼ばれます。リウマチ性多発筋痛症の合併を約30%の患者さんに認めます。特定疾患に指定されていますが、医療費給付は行われていません。男女ともに60歳後半から70歳代にピークがあります。白人に多く、日本人には少ない病気です。症状が似ているJuvenile temporal arteritisという別の病気がありますが、こちらは比較的若年層に生じ、日本人にも比較的多くみられます。側頭動脈炎と比較すると、軽症で病理学的に好酸球の浸潤が強いのが特徴です。原因は不明ですが、喫煙、ウイルスなどの微生物などの環境因子が発症に関連するとも言われています。遺伝病ではありません。

症状について

 初発症状として。こめかみにある側頭動脈の拍動性の痛みと片側性の頭痛が出現して、夜間に悪化します。触診では側頭動脈を索状に触れます(図28)。約40%の人に発熱と体重減少を認めます。34%に視力低下、視野障害、虚血性視神経炎などの眼症状を認め、筋肉痛と関節痛はそれぞれ20%、13%ぐらいの患者さんに認めます。リウマチ性多発筋痛症を合併すると、首、肩、上腕、臀部、大腿などに強い筋肉痛を訴えます。大動脈にも障害が及ぶと、間欠性跛行や解離性大動脈瘤が合併することがあります。その他にも、うつ病、不安感、記憶力低下、脳梗塞、聴力障害などをみることがあります。検査では、赤沈亢進、CRP陽性、白血球増多、貧血が認められます。診断は側頭動脈の生検により巨細胞性動脈炎を確認します。近縁疾患のJuvenile temporal arteritisでは、こめかみの索状硬結と痛みがありますが、全身症状は起こりません。

治療法について

 早期からステロイド治療を行います。失明のおそれがある場合にはステロイド薬の大量投与が必要です。ステロイドで十分に血管の炎症が抑えられない場合や、ステロイド薬の漸減に伴って血管の炎症が再燃する場合には、メトトレキサートなどの免疫抑制薬を併用することがあります。

図28 側頭動脈炎の索状硬結
図28

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