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膠原病と類縁疾患

Q7線維化とは何ですか?

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 傷ができた時、その傷痕が少し盛り上がって治ったことはありませんか。この盛り上がっているのが線維化です。この線維化が皮膚や内臓に起こるのが全身性強皮症の本態です。線維化を起こすと皮膚は硬くなります(図3)。その皮膚を顕微鏡で拡大してみると、皮膚の真皮と皮下脂肪組織という場所に膠原線維(コラーゲンともいいます)が増えていることがわかります(図4)。膠原線維は線維芽細胞という細胞から作られます。全身性強皮症はこの線維芽細胞が正常の線維芽細胞より、活発に膠原線維を作っており、その結果皮膚に過剰な膠原線維がたまって線維化がおきるのです。全身性強皮症では、自己免疫に伴う炎症によって線維芽細胞が活発に働いていると考えられていますが、詳しい仕組みについてはまだ明らかにされていません。

図3:全身性強皮症の皮膚硬化
図3
図4:皮膚硬化のある皮膚を顕微鏡で拡大したもの

図の真ん中から下方(真皮)にピンク色に強く染まっているのが、増加した膠原線維です。

図4

全身性強皮症


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