Q12全身性強皮症の中には、軽いものと典型的なものがあると聞きましたが本当ですか?
本当です。全身性強皮症という同じ病名が付いていますが、全身性強皮症の中には、レイノー症状だけしかなく皮膚硬化が全くない軽症のタイプから、皮膚硬化が胸や腹などに拡大し、内臓病変を伴う典型的なタイプまで様々あります。それらを分類するためには、アメリカのリウマチ医であるルロイとメズガーらによる全身性強皮症の分類が国際的に広く使われています。(表2)にこの分類の要点をまとめました。これによると、全身性強皮症は1)皮膚硬化が手指から肘までの、より軽症型の限局皮膚硬化型全身性強皮症と、2)皮膚硬化が肘から上肢、体幹へと広がった、比較的典型的な症状を示す、びまん皮膚硬化型全身性強皮症に分類されます。抗セントロメア抗体が陽性であれば皮膚限局硬化型全身性強皮症である可能性が高く、一方抗トポイソメラーゼ I抗体や抗RNAポリメラーゼ抗体が陽性の場合には、びまん皮膚硬化型全身性強皮症となる可能性が高くなります。念のためにいっておきますが、「限局皮膚硬化型全身性強皮症」は、前述の「限局性強皮症」とは同じ「限局」という言葉を用いてはいますが、全く異なる病気ですので混同しないように注意して下さい。
