皮膚科Q&A

皮膚科Q&Aを検索

膠原病と類縁疾患

Q14どのような経過をとりますか?

印刷

 ルロイとメズガーらによる全身性強皮症の分類によると、全身性強皮症は1)症状が比較的軽い、限局皮膚硬化型全身性強皮症と2)全身性強皮症として典型的な、びまん皮膚硬化型全身性強皮症に分類されます。この2つの病型で全身性強皮症の経過が異なります。限局皮膚硬化型全身性強皮症では皮膚硬化は進行するにしても、十数年から数十年にわたってごくわずかずつ徐々にしか進行しません。最終的には皮膚の硬化もせいぜい前腕までにとどまります。内臓病変も逆流性食道炎の合併は比較的多くみられますが、一般的には重篤なものはまれです。

 これに対して、びまん皮膚硬化型全身性強皮症の場合は、発症してから数年は皮膚硬化が進行します。特に発症後2年以内に重い症状の80%が現れるといわれています。しかし、どんどん進行するわけではなく、発症5~6年でピークに達した後は、徐々に皮膚硬化が自然に改善してきます。びまん皮膚硬化型全身性強皮症では内臓病変を合併することが多いのですが、多くは発症してから数年以内に明らかとなります。

 注意すべき点として、このような典型的な経過をとる全身性強皮症患者さんももちろんいますが、患者さんによっては発症10年以上経ってまた病気がぶり返してきたり、発症から少しずつ病気が進行していく場合など様々なことです。全身性強皮症の経過は患者さんによって大きく異なりますので、ここに示した経過はあくまでも典型例がとる経過であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありませんので注意して下さい。

全身性強皮症


このページの先頭へ