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膠原病

Q13全身性強皮症の中には、軽いものと典型的なものがあると聞きましたが本当ですか?

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 本当です。全身性強皮症という同じ病名が付いていますが、全身性強皮症の中には、レイノー症状だけしかなく皮膚硬化が全くない軽症のタイプから、皮膚硬化が胸や腹などに拡大し、内臓病変を伴う典型的なタイプまで様々あります。それらを分類するためには、アメリカの内科医であるルロイとメズガーらによる全身性強皮症の分類が国際的に広く使われています。表2にこの分類の要点をまとめました。この分類では皮膚硬化の範囲のみならず、抗核抗体の種類、内臓病変の種類など様々な因子を加味して分類されているのが特徴です。これによると、全身性強皮症は1)症状が比較的軽い、限局皮膚硬化型全身性強皮症と、2)全身性強皮症として典型的な、びまん皮膚硬化型全身性強皮症に分類されます。両者の区別には、特に抗核抗体の種類が重要です。抗セントロメア抗体が陽性であれば皮膚限局硬化型全身性強皮症である可能性が高く、一方抗トポイソメラーゼ I抗体や抗RNAポリメラーゼ抗体が陽性の場合には、びまん皮膚硬化型全身性強皮症となる可能性が高くなります。念のためにいっておきますが、「限局皮膚硬化型全身性強皮症」は、内臓を侵さず、皮膚だけに硬化が起こる「限局性強皮症」とは同じ「限局」という言葉を用いてはいますが、全く異なる病気ですので、混同しないように注意して下さい。

表2.ルロイとメズガーらによる全身性強皮症の病型分類

びまん皮膚硬化型全身性強皮症

  • 皮膚硬化が進行するとともに、レイノー症状が現れる。
  • 皮膚硬化は手指や前腕だけでなく、体の中心方向へと拡大し、胸や腹にまで及ぶことがある。
  • 肺線維症、腎病変、消化管病変、心臓病変などの内臓病変を合併しやすい。
  • 抗セントロメア抗体は陰性。
  • 抗トポイソメラーゼ I(Scl-70) 抗体陽性(30%)、抗RNAポリメラーゼ抗体陽性(15%)。

限局皮膚硬化型全身性強皮症

  • レイノー症状が数年~数十年続いた後、手指の皮膚硬化が現れる。
  • 皮膚硬化は手指、手背、顔、足、前腕に限定し、上腕、胸、腹には及ばない。皮膚硬化がないこともある。
  • 手、顔の毛細血管拡張、皮膚カルシウム沈着を伴うことがある。
  • 稀に、発症後十数年から数十年たった後に肺高血圧症が現れることがある(2%以下)。
  • 抗セントロメア抗体陽性(70~80%)。

全身性強皮症


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