以前は、全身性強皮症のことを“進行性”全身性硬化症(PSS)と呼んでいました。しかし全身性強皮症について多くの研究が積み重ねられた結果、全身性強皮症には症状が比較的軽く、ほとんど進行しない患者さんも数多くいることが分かってきました。そのため“進行性”という不適切な言葉が入った診断名である“進行性”全身性硬化症(PSS)は今では使われません。しかし、患者さんの中には全身性強皮症は、どんどん進行していくという間違った印象をもたれて悲観的になっていらっしゃる人もいます。でも、全身性強皮症は必ずしも進行性ではなく、患者さんによってその経過はさまざまであることをよく憶えておいて下さい。