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Master of Dermatology(Maruho)
「Master of Dermatology(Maruho)」とは,日本の皮膚科における臨床分野の発展に貢献した皮膚科医師に敬意を表する賞「マルホ賞-臨床皮膚科学への大いなる貢献者達へ-」としてマルホ株式会社が2010
年に創設し,実施してきましたが,2017年度からは「皮膚科の臨床,皮膚科学研究,人材育成,社会貢献
など,日本の皮膚科学の発展に多大なる貢献をした者」をテーマに,「Master of Dermatology(Maruho)」と名称を改め,日本皮膚科学会とマルホ株式会社が共同運営することとなり,現在に至っております.
受賞対象は公募としており,要項については毎年10月下旬から日本皮膚科学会雑誌および本ページに掲載
いたします.
Master of Dermatology(Maruho)の受賞者には,副賞として300万円が授与され,受賞年度に開催される日本皮膚科学会総会において授賞式,記念講演を行うこととなっております.
令和7年度 Master of Dermatoloy(Maruho)の受賞者について
令和7年度 Master of Dermatology(Maruho)の受賞者は下記のとおりです.
氏 名 | 所属名称 | 受賞テーマ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
いけだ しがく 池田 志斈 |
順天堂大学 名誉教授 |
分子遺伝学の進展と皮膚科学への貢献 :我々の試みと共に振り返る |
(敬称略)
【受賞テーマの要約】
1994年に、RFLPとmicrosatelliteを用いてHailey-Hailey病(HHD)の遺伝子局在を同定し、2001年にはYAC contigなどを用いて疾患遺伝子を同定した。一方、2000年からはDarier病(DD)とHHDの遺伝子
解析を行い、COX2阻害薬による両疾患の治療を報告した。
2007年からは、SNPと高度多型microsatelliteを用いて、HLA-Cの近傍に円形脱毛症(AA)遺伝子の
局在を、2014年には次世代sequencerにより、coiled-coil alpha-helical rod protein 1のvariantを同定
した。2017年には ゲノム編集と遺伝子KOによるマウスにおける臨床症状の再現に成功した。次いで本variant陽性と陰性の患者を比較し、再発率の統計的差異を検出した。
以上の様に、分子遺伝学の発展とともに我々の研究も進展した。