各委員会情報
Master of Dermatology(Maruho)
「Master of Dermatology(Maruho)」とは,日本の皮膚科における臨床分野の発展に貢献した皮膚科医師に敬意を表する賞「マルホ賞-臨床皮膚科学への大いなる貢献者達へ-」としてマルホ株式会社が2010
年に創設し,実施してきましたが,2017年度からは「皮膚科の臨床,皮膚科学研究,人材育成,社会貢献
など,日本の皮膚科学の発展に多大なる貢献をした者」をテーマに,「Master of Dermatology(Maruho)」と名称を改め,日本皮膚科学会とマルホ株式会社が共同運営することとなり,現在に至っております.
受賞対象は公募としており,要項については毎年10月下旬から日本皮膚科学会雑誌および本ページに掲載いたします.
Master of Dermatology(Maruho)の受賞者には,副賞として300万円が授与され,受賞年度に開催される日本皮膚科学会総会において授賞式,記念講演を行うこととなっております.
令和5年度 Master of Dermatoloy(Maruho)の受賞者について
令和5年度 Master of Dermatology(Maruho)の受賞者は下記のとおりです.
氏 名 | 所属名称 | 受賞テーマ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
もりた えいしん 森田 栄伸 |
株式会社 メディカル工笑 島根大学名誉教授 |
小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの主要アレルゲン ω5-グリアジンの同定に基づく高精度診断法の開発と病態 解明及び低アレルゲン小麦の開発と実用化 |
(敬称略)
【受賞テーマの要約】
1.小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの主要原因抗原ω5-グリアジンを同定し、リコンビナントω5-
グリアジンを利用した特異的IgE検査を開発した。本検査は世界中で使用され、その高い精度から
Component-resolved diagnosticsの概念とω5-グリアジンアレルギーの呼称が定着した。本邦では
2010年保険収載された。
グリアジンを利用した特異的IgE検査を開発した。本検査は世界中で使用され、その高い精度から
Component-resolved diagnosticsの概念とω5-グリアジンアレルギーの呼称が定着した。本邦では
2010年保険収載された。
2.加水分解コムギアレルギーの病態解明と疫学調査により、食物アレルギーにおける経皮感作の重要性
を確立した。
を確立した。
3.「特殊型食物アレルギーの診断の手引き」の作成と配布により、特殊型食物アレルギーの診断法と
対処法を啓発した。
対処法を啓発した。
4.高感度ELISAによる血中グリアジン濃度の測定を行い、小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの運動
やアスピリン誘発の機序を解明、患者生活指導の根拠を確立した。
やアスピリン誘発の機序を解明、患者生活指導の根拠を確立した。
5.ω5-グリアジンアレルギー及び加水分解コムギアレルギーの疾患感受性遺伝子を同定した。
6.ω5-グリアジン欠失小麦系統1BS-18の発見と1BS-18食用小麦の作製及びそれを用いた臨床研究を
遂行、1BS-18食用小麦系統の栽培とその製品の流通による小麦アレルギーの発症予防を目指している。
遂行、1BS-18食用小麦系統の栽培とその製品の流通による小麦アレルギーの発症予防を目指している。