Q2皮膚糸状菌(白癬菌)とは何ですか?
皮膚糸状菌は、カビの一種です。ほかのカビと異なり、皮膚の表面の角質(ケラチン)を分解できる性質をもっています。白癬を起こす皮膚糸状菌は形態から属レベルで白癬菌属、小胞子菌属、表皮菌属に分類され、さらに種レベルでは40種以上に細分され、それぞれの性質が調べられています。日本では白癬の原因菌として10種ほどの菌が知られています。その中で最も分離頻度が高いのが、トリコフィトン・ルブルム*とトリコフィトン・インタージギターレ(メンタグロフィテス)*です。その他、格闘技の選手の間ではトリコフィトン・トンスランス*というカビによる白癬も見られます。白癬菌はヒトばかりでなく動物にも感染し、動物の種類によって感染する白癬菌も種類が異なっています。本来は動物に寄生する白癬菌が、宿主(動物の種)の枠を乗り越えてヒトに感染することがあります。代表的なものが、イヌ、ネコに寄生しているミクロスポルム・カニス(イヌ小胞子菌)というカビです。
なお皮膚糸状菌は白癬の原因菌であることから、白癬菌と呼ばれることがあります。
*皮膚糸状菌の菌種名で、日本ではこのように発音されることが多い。