Q31シラクモ(頭部白癬)とは何ですか?
シラクモは白癬菌が髪の毛に寄生して生ずる皮膚病で、戦前はよく見られたのですが、現在はまれです。おもな症状は楕円形に髪の毛が抜け、表面にフケ様の細かい鱗屑(角質が皮膚の上でたまって付いている状態)がみられますが、痒みなどの自覚症状はあまりありません。感染した毛は皮膚表面で折れやすく、また抜けやすくなります。脱毛部では切れ残った毛包内の毛が黒く点状に見えることがあります。円形脱毛症やフケ症(脂漏性皮膚炎)と誤診されることがあり、ステロイドの外用が行われると、おできのようになり、膿んで盛り上がり、痛くなります。これはケルズス禿瘡(とくそう)と呼ばれます。トリコフィトン・トンスランスやイヌ、ネコに寄生しているミクロスポルム・カニスによるものが多く見られ、ステロイド外用薬の誤用により、ケルズス禿瘡となっていることがよくあります。